「木に学べ」— 千年の時を繋ぐ、宮大工の哲学
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- 5月6日
- 読了時間: 2分
連休の最後の日、一冊の本を読み終えました。
法隆寺や薬師寺の再建に命を懸けた、最後の宮大工・西岡常一氏の著書『木に学べ 法隆寺・薬師寺の美』です。
若い頃に氏の映像を観て、いつか奈良へ行きたいと憧れを抱いていたあの頃。
不思議なご縁に導かれ、法隆寺、薬師寺、明日香村、天理……と幾度か足を運んできましたが、1996年からインテリアコーディネーターとして歩んできた今の年齢になり、様々な経験を重ねた今こそ、この本が驚くほど深く、静かに「腑におちる」のを感じています。
「神も仏も、自分の心の中にこそある」
西岡氏の言葉の中で、最も私の心を打ったのは、建造物を創るには「仏教を信ずる心」が不可欠であるという一節でした。
氏が説くのは、学問としての仏教ではありません。
「仏様も神様も、すべては自分自身の心の中にいらっしゃるのだ」という、生きる姿勢そのものです。
他の宗教では、神を人間界から離れた「上にある存在」と捉えることがありますが、本当の仏教は「自分が如来であり、菩薩である」と説きます。
その慈悲の心を、自分の家族だけでなく、生きとし生けるものすべてに及ぼしていく。その心が世界に広がれば、わざわざ「平和」と口にせずとも、自ずと世界は平和になる……。
この真理こそ、今の時代を生きる私たちにとって、最も必要で、最も美しい答えではないでしょうか。
「大講堂」を巡る、心の再訪
西岡氏は、仏教伽藍の中心は「大講堂」であると語ります。
それは、学び、気づき、慈悲の心を育む場所。
この本を携えて、私はもう一度、薬師寺と法隆寺を訪ねたいと思っています。
法隆寺と薬師寺は、中門から回廊をはじめに歩きたいです。
何かを「学び取ろう」とするのではなく、ただその場に立ち、千年の木組みと、先人たちの祈りの気配の中に、自分の身を置いてみたい。
そこで感じる「何か」が、私のこれからの歩みを、より確かなものにしてくれる気がしています。
📖 おすすめの一冊
どの年代の方が読んでも、きっとその時々の「答え」が見つかる一冊です。
特に、これから子育てに向き合う方や、日本の歴史の奥深さに触れたい方には、ぜひ手にとっていただきたいと思います。
五月二日の「八十八夜」を経て、私の内側でもまた、新しい風が吹き始めました。
新緑が眩しいこの季節に、この本に出会えたことに、心から感謝しています。
合掌



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